愉快な精神病家族

双極性障害&アルコール依存症になりかけ!?のオジサン&パニック障害の奥様&経済力無しのアラサー&怖がり犬のドタバタ生活

切羽詰まるが空回り

 

 わが家は、かなり切羽詰まってる。
① うちには、まだかなりローンがある。
② なのに、11月から、タコ氏は定年となり、給料は3分1になる
③ なのに、双極性障害の躁病の時にタコ氏が使ってしまったのと、ポンが、非常にお金を使う人間であることが重なって、うちには、たくわえというものがない。
④ おまけに、うちには、私という売れない小説家をきどっているお荷物がある。
⑤ おまけに、私の兄は、大学に5年間通ったあげく退学。その後、なかなか定職につけなかったり、せっかくついた職場がなくなってしまったり、引きこもりになってしまったり、借金を作ってしまったりと、いろいろ問題を起こしてきた人間である。
(幸い、今は、きちんと職についてガンバッテいる! それは、兄の名誉のために書いておく)
⑥  おまけに、タコ氏は双極性障害である上、本人は認めていないが、医者は、アルコール依存症にかかっている! アルコール依存症というものは、どうやら、金を使う病気らしい! お酒を飲むために、お金を使ってしまう病気だというのだ! ウワアア!

……ってなわけで、とにかく、うちは今、危機に瀕している。私という人間は、昔から数字に鈍く、パーセントとか、小数点とか、分数とか、割り算とか、掛け算とか、そんなものがめっぽう苦手だから、うちの家計状況をキチンと把握できてはいないが、それにしても、かなりヤバイ状態だ! ということだけはわかっている! 

 いつ、タコ氏が働けなくなり、タコ氏が借金をさらに増やし、うちは、首つりしかなくなる…! なんて状態になるかしれない! 

 と、それくらいのことはわかっている!

 これは、何とか私がガッツリ稼いで、わが家を支えなくちゃいかん!

 …と気合を入れ、震えながらバイトを探すも、小説を書く以外、この年になるまで何もしてこなかった私だから、ガッツリ稼げるマトモな職なんぞに、とてもつけそうにない! 大体、こんなに追い詰められてもまだ、まだまだ小説を書きたい! どうせ、バイトをするなら、小説に使えそうなネタが仕込める職場につきたい……なぞと、もくろんでいるんだから、救えない。そんなにしてまで熱を入れている小説が爆発的に売れるといいのだが………
 ああ! でも、そんなことを望んで、指をくわえているだけではダメだ!
 ガッツリ稼いで我が家を救い、合間を見て小説を書く!! 

 ホントはそうしなきゃいけないのだけど…そう……しなきゃいけないのだけど……
 ああ!!! できそうな仕事が…ナイ。
 そう思って、気がついたら、占いサイトなんて開いて、無料の占いをしようとしてるんだから、ますます救えないって。
(無料の星座占いによると、私は今年、12年に一度の大幸運のはずなのだが!)
 大幸運よ、来い!
 と思って、そのまま疲れて、何もできないまま寝てしまった……チーン。

 

 

 

旅行、意外と楽しかったです

旅行は終わった。結局、旅行前に、タコ氏とは和解せざるをえなかった。これが旅行前でなかったら、いくらでも口きかずに暮らせたろうに! しかしながら、旅行前というものは、やはり、口をきかないケンカに不向きなものなのだ。もしも、旅行当日まで、口をきかないままだったら、ヤツは、和室に閉じこもりきりで、旅行に行かなかったかもしれないし、そうなると、予約してたペンションのキャンセル料がもったいないし、大体、八ヶ岳まで、2台の車をつらねて走る予定だってのに、タコ氏がいなかったら、誰が運転していくっていうんだろう! 

だって、兄は前日の夜に働きすぎて、熱出して、ゲーゲー吐いちゃって、旅行当日には、一応熱も下がって、食欲は出たものの、ゼンゼン本調子じゃなくて、運転なんてできる様子じゃなかったし。

私は、ペーパードライバーだから、役に立たないし。

高齢者のババは、免許を持っているものの、運転させるわけにいかないし!

事実上、タコ氏とポンが、1台ずつ運転しなけりゃ、にっちもさっちもいかない状態だったのだ! だから、そんなこんなで、タコ氏とは和解せざるを得なかったのである。

 

悔しい。ケンカしきったって感じがない。まあ、しかし、仕方ない。

 

だけど、そのかいあって、旅行は、わりと平和にいきましたさ! 

タコ氏は、ケンカの間じゅう、和室にこもりきりで動かなかったくせに、旅行の間は妙にせかせか動き回って、積極的に運転するやら、荷物を率先して、あっちこっちに運ぶやら、スケジュールをたてるやら、元気いっぱい(躁状態かも)活動していたし。

風邪をひきかけてたポンも持ちこたえたし。

ジジババも何とかふんばって、旅行の全スケジュールこなしたし。

兄の体調も、何とか持ちこたえて、ものすごくひどくはならなかったし。

それに何よりかより、イヌのCちゃんが、喜んだ! 八ヶ岳の高原の草むら、森を、すごく、すごく喜んで、まるで、野生のコジカみたいに笑いながら、跳ね飛んだ! ああ、Cちゃんのその喜び方が、あまりにもかわいらしかったので、全てのイヤなことは吹き飛んだ!

 だから、心配したより、ずっと楽しい旅行だったかな。

 ポンも、八ヶ岳高原が、気に入ったらしく、

「もし、タコ氏のアルコール依存症が進んで、どうしようもなくなったら、家出して、八ヶ岳に移住するのもいいわね。それするには、お金がいるけど」などと言った。

冷戦続行

 わたしとタコ氏、目下、だんまりケンカ中。タコ氏に腹が立つあまりに、あっちが誤ってくるまで、口をきくもんか! って思ったわけなのだけど、タコ氏の方も、ガンコに黙り込んでいて、別にわたしと口きけなくても、どうでもいいですっていう顔で、ふてぶてしい顔をしている。最低限、ポンにだけ話しかけて、後はずっと黙って、和室に引っ込み、扉をしめきり、そしてテレビばかり見ているらしい。一日中、和室から、テレビの音が流れてるけど、あんなにテレビばっかり見てて、頭、バカになんないのかなって、フッと思う。黙って、テレビだけ見ていればいいだなんて、いい身分だな、とも思ったりする。

だって、こっちは、旅行の準備で大忙しだっていうのにさ! 兄は電話をよこしてきて、旅行の時にはく秋用の靴下を買っておけなんて、余計な用事増やすしさ。荷物整理から何から、何かと旅行前って用事がたまってる。それ、全部こなすの、けっこう大変。タコ氏に、あれやこれやと、用事を頼みたいところだけど、口をきけないもんだから、いろんな用事を頼めない。

(コープ行くなら、あれ買ってきてとか。これ買ってきてとか)

 ああ、不便。口きかないからって、別にタコ氏が反省している様子もないし。何か、こっちばっかり、忙しくて、苦労しているような感じで、結局、このだんまりで、損しているのは私で、得しているのはタコ氏じゃないかっていう感じ。

 おまけに、ポンは、ノドが痛くなってるし、ジジババは、やっぱり旅行準備で、すでに疲労困憊っていうことだし。兄は、旅行の前日に夜勤があって、丸一日ねてない状態で、旅行に集合してくるらしいし、何だか……。

 何だか……。

 どうなる、この旅行。楽しい雰囲気、全然ないんだけど。

 

だんまりを決め込んでみる

 急に何だかイヤになった。普通の発言しただけで、キレられるのって、ホントイヤ。っていうか、疲れる。っていうか、いつも、いつも、キレられて、こっちがものすごく悪いわけでもないのに、ヘイヘイ、ヘイヘイあやまってばっかりなのって、ホント、ストレス。たまには、こっちだって怒りたくなる。タコ氏が100回キレてるうちの、1回くらい、たまには、こっちがキレたって、別に悪いことはないでしょう!
 別に、大した話じゃない。今度、八ヶ岳の旅行に行くのだけど、
「旅行の時、あっちのペンションに寝巻ないんだって。どれ、持っていくの?」
 ポンがそう言っただけで、タコ氏、怒り顔になって、
「ジャージですけど?」って、キレ気味にいう。
「どのジャージ?」って、ポンが聞いたら、
「ジャージのズボン。上はワイシャツ」って、タコ氏はエラそうに言い切る。
「ワイシャツ? 昼間も着て、夜も着るの? やめなよ」
「何で?」って、さっそくキレるタコ氏。
「だって、クサイじゃん」
「じゃあ、一緒に行動しなきゃいいんでしょ!」

 タコ氏、プチギレ。寝巻一つで、そういう極端な発言、やめてよ。
「トレーナーの一つくらい、丸めて持っていけばいいでしょ。何グラムにもならないよ」って、私が横から口をはさんだら、
「物が増えるのがイヤなんだよ!!!!!」
 タコ氏、声をますます荒げて怒鳴りやがった。
「旅行の荷物が増えるのがイヤってこと?」って、私は聞いた。

「でも、さっきも言ったけど、小さく丸めりゃ、大した荷物にもならないでしょ。それに、新しく寝巻とかジャージを買うのがイヤだっていうことなら、お兄ちゃんの部屋に、お兄ちゃんが、うちに置いたまんまのジャージが山ほどあるよ。あれ、一つ借りて、着ればいいんじゃないの」
(兄とタコ氏は、サイズがピッタリ同じ。ちなみに、同じクツもはけるらしい)


 しかし、みなさん! 私のこの発言を聞いて、タコ氏はね、キレました!

 いきなり、ブチギレちゃって、 

「ハア~!!?」って、世にもバカにしたような顔つきで、さげずむように私のことをにらんだんです!

 それから、

「あんた達ねえ、自分らが、どれだけの収納スペース使ってると思ってんの? 数えてあげようか?」

 なぜか、今までの会話と関係ないようなことを言って、血走った眼でわたしをにらんだ。でも、何で、いきなり私の収納スペースの話になってんの? 話は、タコ氏が旅行に持っていく寝巻のことだったと思うけど! タコ氏の頭の中で、どんな思考があって、私の収納スペースの話になったのか、ごめんなさい。私、わからな~い!

「どういうこと? 何の話?」

 聞き返したんだけど、タコ氏のヤツ、

「あんた達、どれだけ収納スペース使ってるか、数えてあげようか?」

と、さっきと同じせりふを繰り返して、さげずみの目でわたしをにらむばかり。何度聞いても、そっくり同じせりふを繰り返すだけで、全然わかるように説明してくれないもんだから、私、怖くなった。この人、頭おかしくなってる!

 同時に、怒りもこみあげた。何で、こんなことで私、怒られて、にらまれて、バカにされなきゃいけないの!

「もう、いいよ! 話したってムダだから! 勝手に、ワイシャツ着ていれば!」

 わたし、怒鳴りつけて、それきりむ黙り込んだ。それから、怒ってますオーラを、できるだけ出しながら、タコ氏とはもう絶対に口をきかないでおこうと心に誓った。

 

 だって、そうでしょう! 私、怒られるようなこと何も言ってないはずだもん! お兄ちゃんの物を借りるのがイヤなわけでもないんだし。だってねえ、タコ氏はねえ、スニーカーは、お兄ちゃんのスニーカーを借りて、履いていくつもりなんですよ! だったら、ジャージだって、お兄ちゃんの借りたって悪くないじゃん! 例え、その提案が気に入らなくてもねえ! 別に怒鳴るようなことじゃないって。お兄ちゃんのジャージを借りるのはイヤなんだって、ごく普通に言えばいいことさ。

 

 私は、2階の自分の部屋に駆け上がって、追いかけてきたポンに向かって、

「私、タコ氏に、もう絶対、口きかない! 旅行中、ずーっと黙ってることになってもいいよ!」って宣言した。そしたら、

「そうしてやれ!」と、ポンは、さかんにけしかけて、
「お願いだから、あんたのブログに書いておいて。物を増やすのがイヤだって怒鳴るわりには、お兄ちゃんの余ったモニターをもらおうとしてるって! 物を増やすのがイヤなんじゃなかったの? ジャージはダメで、モニターはいいってどういうことなの? わけわかんないって書いておいて!」と、鼻息荒く怒鳴った。

 

 タコ氏は、明日になったら、何もなかったような顔をして、普通に話しかけてくるかもしれない。だけど、私は、言ってやるつもり。
「言っておきますけど。私、まだ、昨日の夜のこと、根に持ってるんですからね。何で、普通のことを言っただけで、ハア~~!!? って、ものすごく悪いことを言ったみたいに、声を裏返して、バカにされないといけないの? その理由、説明してもらいましょう」
 それくらいのことは、言うさ! そうでしょうに!!

 

プチギレ

タコ氏はこの頃、プチギレしている。プチプチ、プチプチとキレて、何だかまともに
しゃべれやしない。
不幸なことに、もうすぐ、タコ氏、ポン、私、イヌのCちゃん、タヌキジジイ、マメコバアバ、それに大阪に住んでいる私の兄までそろって、まるで仲良しのファミリーみたいに、八ヶ岳を旅行することになっているのだけど・・・・・・
(何で、そんなことになったのかというと、そもそもの始まりは、タコ氏が定年前に、10連休を取るなんて、ビックリするようなことを言いだしたから、なのだ。まともに、タコ氏と10日間も、顔を突き合わせていられるか! ってなわけで、それくらいだったら、旅に出た方がずっとマシだい! と、イヌのCちゃんを連れて、旅に出ることになったのだ。)

 

 とにかく、その旅行のことで、
「旅行の日、ちょうど八ヶ岳、雨みたい。天気予報に出てた」って言っただけで、
「で? だから、どうしましたって話なんだけど」って、すごく怒った口調で言う。
 でも、何で、旅行の日に、八ヶ岳が雨みたいだよって言っただけで、そんなに怒られないといけないの! それ言っただけで怒られてたら、なーんにも言えないじゃん!

 もう、そんなことばっかり。口開いて、何か言ったら、キレ口調で返事がくるから、ハッキリ言ってもう、しゃべってられない。会話、成立しない。もう、イヤ。キレる人、ホント、イヤ。 

何度もスーパーに行くんです

 タコ氏は、一日に、何度も何度も、近所のスーパーに行く。日に、3回か、4回は出かける。いろんな理由つけて、何度も、何度も、スーパーに出かける。
 靴を見たいからといって、出かけ。
 本を見たいからといって、出かけ。
 そして、しばらーく帰ってこない。もちろん、ビールを飲みに行っているんじゃないかって、私とポンは思っている。

 今日の夕方も、私とポンが、イヌのCちゃんの散歩に出かけたら、タコ氏が、兄の運動靴を足にはいて、家から、スタスタと歩いて出てきた。
そして、私達を見かけると、
「この靴はいて歩けるかどうか調べたいから、そこらへん歩いてくる」
なぞと言って、スーパーの方に行こうとする。
「それなら、私達と一緒にくればいいじゃん」と、ポンが言うと、
「えー! だって~」とか言っていやがり、やたらに、スーパーの方に行こうとする。
 しかし、イヌのCちゃんは、スーパーの方面はキライで、散歩コースに絶対したがらない。そして、Cちゃんは、家族をいっぱい引き連れて、散歩するのが好きで、タコ氏が今、出てきたのは、自分と散歩してくれるためだと思いこんでいる。で、タコ氏がスーパーの方に行こうとすると、ものすごい顔で、タコ氏に駆け寄って、タコ氏を引き留める。
 こっちに行こう! と、Cちゃんは、公園の方に、タコ氏を連れて行こうとする。
 タコ氏、Cちゃんには折れた。スーパーをあきらめて、公園に来た。Cちゃんは、すごく喜んで、タコ氏の投げたボールをかわいく取ってきたりして、えらく機嫌のいいところを見せた!
 しかーし!
 タコ氏は、靴の具合を見たくて歩きたいだけのはずだった! なのに! 散歩が終わったら、またすぐに、スーパーに行くのである!
「ちょっと、朝ごはんの材料を買ってくる」なぞと言って、スーパーに走っていく!
 そして、全然戻ってこない! ああ、明らかに、ビールを飲んでいるにちがいない!
 私とポンは、確信している。ああ、だけど、そんなこと確信して、何になろうか! 何ももなりゃあしない!
 また、ビールを飲みに行ったんだろうなんて、思わない方がいいのだ。だけど、どうしても、思ってしまう。思ってしまう。思ってしまう。ああ、あの人は、アルコール依存症が、進んでいるんだろうか。だから、こんなに何度も何度も、ビックリするくらい、何度も、スーパーに通うんだろうか! 最近、フキゲンなのは、アルコール依存症と関係があるんだろうか!?
 ………いや。でも、そう思うと、気持ちが暗くなるから………
 考えない。

 

 

お人よしって損? そうでもない?

 タコ氏、この頃、何かフキゲン。すごいフキゲン。近づくの怖い。話しかけるの怖い。緊張する。ドキドキする。いやあ。もう、いやだねえ。何かさあ、お人よしってもんはさあ、何かと損するよねえ。私も、人が近づくのが怖くなるくらい、すごいフキゲンになってみたいもんだよ。それで、気を使われたいよ……
 ……って一瞬思ったけど、やっぱ、嫌だな。フキゲンになるのって、本人もすごい苦しいと思うし。まあ、とにかく、タコ氏は、機嫌が悪い時間が、何だか、だんだん、どんどん増えている。それが、アルコール依存症のせいなのか、それとも、双極性障害のせいなのか、それとも、ただ単に機嫌が悪いのか、私にはもうわからん。でも、ただの普通の人の機嫌が悪いっていうのよりも、もっとコワイような感じがする。
 この間、私とポンとCちゃんが出かけている間に、タコ氏は、夕食を作ってくれた。それは、大変いいことで、ありがたいことである。

 しかし! 帰ってきた私に、いきなり、
「酒(料理酒です)のフタ、どこにやったんだよ!」って、怒鳴りつけたのはどうかと思う。
 酒のフタ、外したのは、あなたですよ。私はたった今、この家に帰ってきたばっかりですよ。どうして、酒のフタの場所を知っているはずがありますか!?
 しかし、私は、そうは言わない。怖いからである。私はただ、
「どこだろう」といって、そこいらを、ちょっと探した。帰ったそのまんまの姿で 着替えもせず! 何もせず! 帰っていきなり、酒のフタ探し。でも、ない。
「チッ!」って、舌打ちされたけど、何で、私が、舌打ちされないといけないの!?

 

 その前にも、食器洗剤のフタを、ヤツはなくした。食器洗剤を使って、皿洗いをしてくれるのは、大変にいいことであり、ありがたいことである。

 しかし! 自分で、食器洗剤のフタをなくしておいて、だよ。私が、
「どこにいったんだろ?」って、あちこち探したら、
「もう、探したってムダだって!何の意味があんの、そんなことして! いったい、何してんの!?」って、キレるのは、いただけなかった。
 だって、食器洗剤のフタ、なかったら探すの、当たり前でしょ! あなたに探してくださいっていっていないのにさ。どうして、私、怒られないといけないわけ!?
 でも、私は、そうは言わない。
「うん。でもね」と、あいまいに言って、フタを探し続ける。でも、ない。あーあー。あのフタも、このフタも、どこに消えちまったんだか。