わが家の経済会議
今日、タコ氏は、朝からしかめつらしく経済会議を開き、わが家がいかに借金だらけ、ローンだらけで、このままの生活だと赤字だらけになって、どうしようもなくなるかってことについて、力説した。私もポンもシューンとしてしまった。
ハイ、何も言えません。
でも、お金を切り詰めて暮らそうって話のはずなのに、妙なことを言ったりもする。
「まあ、お金の倹約ばっかり考えてたら、クオリティーライフは失われる。だから、めいめいに小遣いをふりわけようと思います。どんな風に使ったのか、申告しなくていいお金です。月に、私が3万、ポンが2万、マコが1万」
でも、何で、切り詰めなくちゃいけない時に、今まではなかった小遣い制度を足さなくちゃいけないわけ?
おまけに、こっちが別に何も言っていないのに、
「いいでしょ! 自由に使えるお金くらい持たせてよ! 60ヅラ下げて、自分の自由になる金ないとか、そりゃないでしょ!」って突然キレて、机をひっぱたいたりする。
ははん。きっと、お酒に使いたいんだな。申告しなくていいお金って、それって、要するに、ビールを買うお金だな。
だけど、そんなことを面と向かって言ったら、もちろん、怒鳴り殺されるから、
「私は、お小遣いなんぞという贅沢なものはけっこうです。養っていただいているだけで、もう十分すぎます」って、丁寧に頭をさげて言っておいた。
「私はいります!」って、ポンはキッパリ言い切った。
「その2万円は、何かの時のために取っておきます」
「ご自由にどうぞ! あなたが何に使ってもいいお金ですから!」
と、タコ氏は必要以上にでかい声でさけんだ。
後からポンに聞いてみると、何かの時っていうのは、タコ氏に我慢できなくなって、私とCちゃんと一緒に家出をする時なんだってさ。
タコ氏に我慢できなくなった時の家出費用を、タコ氏の給料から出すってどうなのって思うけど……。ま、別に、それこそ、ポンの好きにすればいっか。