愉快な精神病家族

双極性障害&アルコール依存症になりかけ!?のオジサン&パニック障害の奥様&経済力無しのアラサー&怖がり犬のドタバタ生活

84歳の免許問題

 

タヌキジジイが、いよいよ入院した。マメコばあばは、朝から晩まで病院にいて、夜の8時半ごろ、ようやく、帰宅した模様。
「何で、おじいさんの付き添いなんて、そんなに長時間するのかしら。病院にはお医者さんも看護婦さんもいて、徹底的に世話してもらえるんだから、こんな時くらい、家にいてノビノビすればいいのに」と、ポンは言う。
 それでも、マメコばあばは、頻繁に病院に通うつもりのようである。病院はけっこう遠くて、車で20分くらい。マメコばあばは、もう83歳になるけれども、平気で、病院まで車を飛ばしていく。お年寄りの悲惨な交通事故が多い今日この頃、
「もう、免許返上した方がいいんじゃない。間違って、事故起こしたら大変だよ」
と、私達が言うと、
「そうなのよ。それを思うと夜も眠れない」と、マメコばあば、一応、苦い顔はする。
「でも、免許更新にいったら、知能テストも1番だったし、技能テストも1番だった。おまけに、動体視力もすごかった。まだまだいけますよ、奥さんって、係の人にも言われたん」
と、じぶんがデキるお年寄りであることを、大変自慢にもしていて、それで自信を深めてしまっているらしく、一向、返上する気はない。
 もちろん、マメコばあばは、大変デキるお年寄りで、お風呂の中で、百人一首を暗唱し、100から7を引いたり、6を引いたり。指の体操をしたり、花の名前やら、動物の名前やらを20考えて言うテストを繰り返す。新聞を隅から隅までキッチリ読み、新聞に国の名前が出てきたら、首都を唱え、首都の名前が出てきたら、国を唱える。新聞の数独を、必ずやり(そして、★が5つの超難問も絶対にといてしまう)
 …といった具合に、知能は、30歳の私よりも、優秀なくらいなのだけど、でも、やっぱり、そんなシッカリした人でさえ、ほんのちょっとの過ちで、悲惨な事故を起こしてしまうことだってあるのだから、
「自分は大丈夫って思わずに、返上した方がいいんだよ」と、私とポンは言っている。

それだったら、30歳のアラサーである私やら、59歳のポンなどが、車を運転して、
ジジババの病院の送り迎えをしてあげたらいいのだが、
①  私は、車の免許を2年前にようやく取ったばっかり。運転機会も少なく、ロクに、運転できない。マメコばあばが運転した方が安全なくらいなのだ
②  ジジババの病院までは、長い長いトンネルがある。7キロ以上は絶対ある、ものすごく長いトンネルである。ところが、ポンは、このトンネルを通るのがコワイ。閉所恐怖症のポンは、狭くて暗いところが、超苦手。トンネルのような暗いところは、ものすごく苦手なのだそうだ。

そんなわけで、私達は、ジジババが、タクシーを使って、病院に通ってくれればいいの
になと、心底願っているのだけど、
「だって、タクシーなんて高いん」と、マメコばあばは、いまだに、ハンドルを握っている。

 お年寄りは免許を返上すべきって声も、今、けっこう高い。それでも、お年寄りってものは、足が悪くなってくるし、歩いたり、電車に乗ったりするのも、キツくなってくるだろう。
そんなお年寄りのために、もっといろんな公共施設が、送り迎えシステムを、向上すべきである。それでないと、お年寄りは必要に迫られて、ハンドルを握るし。それが、交通事故につながっていくんじゃないかしらん。
 
……って、私は、運転練習に励むべきなのかもしれぬ。83歳のうちのドライバーが、
安心して、免許を返上できるように。