愉快な精神病家族

双極性障害&アルコール依存症になりかけ!?のオジサン&パニック障害の奥様&経済力無しのアラサー&怖がり犬のドタバタ生活

私だって意見を言います。

この頃、大人しくしていて、特に記録するほどのことはなかったのに、何ですか。やっぱり、キレました。キレずにはいられないのかね。新聞に向かってキレました。わが家は、朝日新聞を取ってるんですけれど、それをめくりながら、
「毎年、夏になると腹が立つんだけどさ!」
 そう言って、私とポンとにらんで反応を待つ。私達、別に知りたくはないけど、明らかに、反応を待っている顔つきなので、
「何?」って、しょうがないから聞いてみる。
「この新聞! 高校野球に、ページ割きすぎなんだよね! これだけページ割いてさ、いくら分だと思ってんの! 400円相当だよ、これ!」などと怒鳴った。
 ここで黙っているか、
「まあ、ページ割きすぎですねえ」って言えば、相手も大人しくなったかもしれないが、私、この頃、タコ氏の言うことに、ヘエヘエいうの、イヤになってきたし、いくらキレても、かまうことかって思うし、大体、怒鳴られるのにもいい加減慣れてきたから、ヘエヘエ言うのをやめにして
「いいじゃん。高校野球の記事載せたって」って、ハッキリと自分の意見を言ってやった。そしたら、ポンが、
「そうよ!」って、ここぞとばかり、私の意見にかぶせてくる。
 そしたら、タコ氏は、もちろん、ますますキレて、
「何がいいんだよ! 高校野球の記事に、何の価値があんの! 何の意味があんの! あんた達だって、高校野球なんかに、全然興味ないくせに!」と、激しく怒鳴った。
 まあ、そりゃあ、高校野球のこと、何も知りませんよ。だけどねえ、それでもねえ、新聞に高校野球の記事が載ってると、いいもんなんですよ。高校生達が頑張ってるなって、その雰囲気を感じるだけで、私は嬉しいんですよ。暗いニュースばっかり続くよりも、やっぱり、高校野球の記事が新聞に載っていると、青空と野球ボールと、高校生達の汗とそれを応援する吹奏楽部の楽器と、太陽の照り返しなんかがパーッと浮かんできて、それがページの間から吹いてくると、その瞬間だけでも、爽やかな気分になるんですよ。そりゃ、私、野球のくわしいことは読みませんさ。だって、ものすごく野球が好きってわけじゃありませんからね。だけど、それでも、新聞に高校野球のページがあっていいって思うし、そういう意見を言ったっていいじゃありませんか!
 だけど、タコ氏は、すっかりキレモードで、

「じゃ、去年の優勝校は!? おととしの優勝校は!? その前の優勝校は!?」
と、はげしく迫り寄ってくる。

「そんなの知らないよ。だけど、高校野球の記事、全然いいじゃん」

って私が言ったら、

「何で、高校サッカーじゃいけないの! 何で高校水球じゃいけないの!」

と、タコ氏は声を裏返し、

「とにかく、よーく考えた方がいいよ。高校野球の記事に、年間5万円だってことが、ペイするのかどうか!!!!」
 そう言って、和室に飛び込んで、バタン!! と、扉を閉めた。
 ヤレヤレ。自分の望む答えを言わないと、怒ってキレまくるってさ。それって、人の意見が聞けないってことじゃないですか。だけど、この間は、「表現の不自由展」が中止になったという記事を読んで、
「日本も終わりだよね。表現を規制するようじゃさ。やっぱ、いろんな価値観を認めないと」といったのは、自分ではありませんか!
 だったら、いろんな価値観や、意見を認めなさいよ、あんただって! 
 そりゃ、新聞代をはらってもらってるアラサーの小説家かもしれませんがね、それだって、タコ氏とは違う意見を持って、それを言う権利だってあるんですよ。人が自分の意見に同意しないからって、いちいち、怒鳴るなっつーの。