愉快な精神病家族

双極性障害&アルコール依存症になりかけ!?のオジサン&パニック障害の奥様&経済力無しのアラサー&怖がり犬のドタバタ生活

にらみ殺し合う

 タコ氏、フキゲンだったり、そうでもなかったり、一日の中で非常に気分にムラがある。そうでもない時には話しかけたら、普通に返事をするけれど、機嫌の悪い時には、話しかけても、ホント、何も言わない。

 これは、双極性障害のせいか? アルコール依存症のせいか? もはや、私には、わからなーい!!!!

 

 機嫌が悪い時には、何を言ったって怒るけど、確実に、絶対、機嫌が悪くなるのは、自分が注意された時。
 例えば、今日なんかは、何と! 車で図書館に行ったのに、免許証を忘れていった!
「免許証忘れてるよ」と言おうと思って、いくら電話してもつながらない。
 メールをしても、返事もない。
 無免許で運転してるのかよ! 法律違反じゃないですか。ダメじゃないですか。

 帰ってきたタコ氏に、ポン、すぐさま注意した。そしたら! ヤツは、何も言わなかった。ムッツリと恐ろしい顔をして、黙り込んだ。そして、だんまりを決め込んで、怖い顔をしたまま、スマホを持って、リビングのソファに座りこみ、何も言わずに、スマホをにらんだのである!
 だけど、その態度、どうなんですか。おかしいでしょ。無免許運転はホントにいけないんだから、免許証を忘れたことを注意されて黙り込むなんて、おかしすぎるでしょ。 普通に、今度から、絶対に気をつけるっていうべきでしょ! 

 ヤツに、そう言ってやりたいけど、言わない。私もポンも、二人とも言えない。だって、タコ氏が怖いから。逆ギレされるのが怖いから。

 

 ポンは、タコ氏に言いたいことを言えなくて、ストレスをフツフツとためている。で、その結果、タコ氏の存在自体が、イヤになりはじめている。

 昨日なんかは、タコ氏が、
「今日は、鶏のカチャトーラが食べたい」
と言っただけで、ポンは、相手をにらみ殺せそうな目つきで、タコ氏をにらんだ。

 何で、あんなににらんだのかって、後で聞いてみたら

 

・鶏のカチャトーラなんて、暑苦しいものを作るのは誰か?
・タコ氏が作るとしても、後で味を直さなきゃいけないのが、すごく大変だから嫌だ
・しかも、その味直しを、タコ氏が気を悪くしないように、タコ氏にバレないように、こっそりと行わないといけないのがイヤだ。
・そもそも、この暑い日に、鶏のカチャトーラを食べたくない。
・鶏のカチャトーラを食べたいだなんて、生意気だ。

 ……みたいなことを思って、タコ氏をにらみつけたらしい。

 

 しかし、タコ氏は、ポンににらまれると、負けずに恐ろしい顔をして、
「鶏のカチャトーラとパンが食べたい」と宣言して、ポンを挑戦的に、にらみつけた。 

 ヒエ~! 鶏のカチャトーラのことで、こんなに睨み合う夫婦、はじめてみた。

 

 結局は、ポンがゆずった。夕食のメニュ―は、鶏のカチャトーラに決まった。

 しかし、タコ氏がいなくなるやいなや、ポンは、キレながら、
「私は、あの人の食べたいものをホイホイうなずいて、いいですよって言っておかなくちゃいけないのよね。それで、あの人の作ったものを手直しして、後始末して、あの人が中途半端に使った食材を、頭使って、私が使い切らないといけないのよね。あの人のしりぬぐいを、いつだって、私がしなきゃいけないのよね。そういうのが、すごいストレス!!!!」って、頭をのけぞらせて、わめきちらした。

 

 私、もうすみませんとしか言えなかった。私が、もっと早く、お料理上手になっておくべきだったんだけど。タコ氏の食べたいものをホイホイ作れたらよかったんだけど!

 でも……

 もし、私が、ヘタックソに作ったものをテーブルに並べたら、ポンと、タコ氏の二人ともに、にらみ殺されそうだな。