タコ氏問題から、社会問題までしみじみと考えてみる。
タコ氏はこの頃、大人しい。ものすごく大人しいってわけじゃない。テレビにむかっては、さかんに文句をつけている。NHKの朝ドラの坂場君っているでしょう。「なつぞら」に出てくる人なんですけれども、かなり理屈っぽい人なんですね。で、その理屈っぽい坂場君の言うことに対して、いちいち本気で怒って、何か文句をつけている。どんな文句をつけていたか忘れてしまったけれど、とにかく、何か文句をつけていて、坂場君に向かって、やたらにキレる。
デーモン閣下っているでしょう。あの人に向かっても、キレていた。デーモン閣下が、歌番組に出ていたのだ。で、
「ノドのケアはどんな工夫をされていますか?」と、司会の人に質問された時に、
「私はね、常にアメをなめています」と、デーモン閣下が言ったのだ。
すると、タコ氏はすごく怒り、
「悪魔がアメをなめちゃダメでしょ! この人、悪魔キャラで通しているんだよ。だったら、どこまでも悪魔を貫かなきゃ!」と怒鳴った。
いや、別に悪魔だってアメなめてもいいと思うけど。
…って、まあ、こんな感じで、どうでもいいことで、毎日、テレビに向かって怒鳴っているタコ氏ですが。
それにしてもね、タコ氏って、坂場君のことや、デーモン閣下に文句をつけて怒鳴る時、ものすごい勢いで、怒鳴るんです。こっちがビクッとするような調子で、キレるんです。ふざけんな! って、ものすごく怖い顔で言うんです。
それ、そこまで本気で怒ることじゃないでしょっていうことに、ものすごい勢いで怒るんです。多分、アルコール依存症と、双極性障害が入り混じってる結果、そうなってるんだとは思うんだけど……。
それでも、タコ氏の場合は、ふざけんな! って、家で怒鳴っているだけだから、まだ社会に害悪は流していない。
でも、このふざけんなが、もしも、エスカレートしたら……。
家で文句を言うだけにとどまらなくなったとしたら…。
それが、もしかしたら、悲しい犯罪につながっていくのかもしれないって、時々、ふっと、そんなことを思ったりする。
「相模原障碍者施設殺傷事件」から1年がたった。つい最近、京都アニメーションの放火事件があった。
もしかしたら、犯人たちは、めいめい、「ふざけんな!」って心の中で思っていることがあったのかもしれない。それは、ゆがんだ考えだけど、その考えが、どんどん、どんどん膨れ上がって。めいめいの「ふざけんな!」は、手のつけようがないくらい、膨らんで。
それが、悲しい事件につながってしまうのかもしれない。
そんなことを時々思ったりもする。
もちろん、事件の犯人が引き起こしたことは、絶対に許せる行為じゃない。
だけど、「あの犯人たちは、頭がおかしかったんだね」って、それだけで終わらせることはできないのかもしれないなって。そんな風にも思ったりする。
人間は誰だって、生まれた時から、頭がおかしかったわけじゃない。
きっと、ゆがんだ考えを持ってしまう事情が何かあったにちがいない。
それって何なんだろう…
そんなことを考えてしまうんです。
あ、もちろん、タコ氏が、もうすぐ犯罪を起こしそうな人ですなんて、そんなことは言っていませんよ。
タコ氏は、そりゃ、アルコール依存症と双極性障害の影響で、すぐにキレますけど、基本的にいい人です。ちゃんと会社に通ってくれてるし、自分の妻だけじゃなくて、アラサーの売れない小説家まで養ってくれてるし、休日には、家族分の食事を作ってくれるし、買い物もしてくれるし、洗濯物を畳んだりもしてくれます。
なので、タコ氏が、こういう事件を起こしそうっていう話じゃなく。
ただ、あの犯人は、頭がおかしかったんでしょって他人事で終わらせることはできないんじゃないかっていうこと。
一歩間違えたら、誰でも、加害者になってしまう可能性があるのかもしれないってこと。
だから、そうならないためには、どうしたらいいのか。
苦しいことを抱え込まずに、心をいつも豊かにしておくにはどうしたらいいのか。
いっぱいいっぱいではなく、幸せになるためにはどうしたらいいのか。
幸せっていったい、何なのか。
そんなことを考え込んでしまう今日この頃なのです。